富山県在宅医療支援センター

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多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)

射水
多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)
  • 日時 2021年12月21日
  • 場所 射水市
  • 対象 医師・医療介護関係者
多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)

【はじめに】
主治医・副主治医制をいち早く導入し在宅医療を推進してきた「在宅医療いみずネットワーク」は、射水市の在宅医療を支援する多職種連携のよりどころとして地道な活動を続けております。2009年10月に矢野博明先生を代表として射水市医師会内に発足し、2021年9月現在では射水市内の100事業所の330名を超える医療・ケア従事者が参加するネットワークに育ちました。
医療や介護が必要になっても、住み慣れた「射水」の地で、自分らしく最期まで暮らし続けられる様に、ネットワークの力で支援しています。また「365日・24時間の安心、安全な在宅医療」を提供するために、総合病院との連携を強化し、射水市行政と共同し多職種同士の連携・情報共有を重視した取り組みを展開しています。
【研修会】
顔の見える関係づくりのために、毎年「事例検討会、多職種連携研修会、講演会」の3つの研修会を開催しています。しかし残念なことにコロナ禍により、2020、2021年度は対面による研修会は中止となりました。その代替策として、多職種連携研修会を会員向けの動画配信として行いました。2020年度は『ICTを活用した多職種連携とACP』と題して、合計16名の会員が動画に出演し、4本の動画を作成配信しました。2021年度はACPの実際、歯科医師との連携、コロナ禍での在宅対応に関連した動画作りを行っています。2022年度からは従来通りの研修会が再開できることを願って、準備を進めています。
【ICTによる情報共有】
射水市では(株)カナミックネットワークが提供する「TRITRUS」を用いた射水市多職種連携支援システムを、2019年10月から導入しています。システム導入にあたり2017年より射水市在宅医療・介護推進連携協議会の情報共有ワーキング内で検討を重ね、射水市が実施主体となり、2019年度の「富山県医療・介護連携促進基盤整備事業」の補助を得て導入致しました。利用開始から2年が過ぎ、2021年10月末時点で156事業所より473名の利用者登録があり、実際の情報共有は100名を超える在宅療養者に開始しております。主治医またはケアマネジャーが在宅療養者本人や家族より同意を得て、射水市地域福祉課に担当者リストと共に登録を依頼することで一両日中に情報共有が開始されます。
ICTではタイムリーな状態把握や各専門職からの情報提供が可能となり、さらには在宅療養者の心づもりが把握できます。本人の意思決定支援に結び付くため、ACPとの関連性に注目して勉強会を重ねているところです。癌終末期の在宅緩和ケアのみならず、慢性疾患や認知症あるいは神経難病を有する方の情報共有も増えてきており、多職種連携に必須のツールとなりました。
【おわりに】
コロナ禍で療養の場への希望には少なからず変化があり、在宅医療の重要性は改めて注目されています。地域医療を担う医師会にあって、私達は専門職同士の交流で常に新しい知識や技能を身に着け、協力し合って地域住民の皆様の笑顔を支えたいと思っています。
【文責】
野澤 寛(射水市医師会副会長、在宅医療いみずネットワーク代表)