富山県在宅医療支援センター

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多職種連携活動紹介Vol.9 メディカルケアネット蜃気楼(魚津市)

新川
多職種連携活動紹介Vol.9 メディカルケアネット蜃気楼(魚津市)
  • 日時 2023年10月30日
  • 場所 魚津市
  • 対象 医師・医療介護関係者
多職種連携活動紹介Vol.9 メディカルケアネット蜃気楼(魚津市)

平成21年2月に魚津市医師会と富山労災病院との連携にて、在宅医療チームとしてメディカルネット蜃気楼(現メディカルケアネット蜃気楼)を医師会の事業として立ち上げました。現在、登録会員の医師は15名ですが、実働医師が3名のみです(新川地域医療連携協議会にもその前から参加しており、二足の草鞋を履いています)。他に3医療機関で個人的に訪問診療を行っておられます。医師以外の会員数は36名で、会員事業所数は45事業所で、勉強会には行政からも参加して頂いています。
 在宅医療の現場でのICTツールとして「Net4U」で多職種と情報共有をしています。定期的な活動としては、多職種(歯科、薬剤師、訪問看護、ケアマネ、ヘルパー等)のそれぞれの在宅での役割や実務、レスパイトケア等で在宅に係わってくれている市内の個人病院や特別養護老人ホームの活動、行政の活動、在宅の現場でよく遭遇する病態についての学習と現場での対応も含めたレクチャー等をテーマとして勉強会を重ねてきました。多職種間の垣根を越えて、対等に自由な意見交換が出来る場でした(職種間のバリアフリーを目指して)。しかしながら、コロナ禍に入ってから会員との意見交換も出来ていない状況が続いています。ただ、12月には、メディカルケアネット蜃気楼活動再開の第一歩として、労災病院の医師や看護師も交えて「ケアマネの役割、現在の問題点、今後の活動方針、そして患者さんを中心とした在宅医療に於けるケアマネとの上手な協力のあり方等」をテーマにケアマネによる講演を予定しています。
 魚津市に於ける在宅医療の問題点は、何処も同じだと思いますが、1)在宅医不足(開業医も病院医師も在宅医療に対して認識不足)2)訪問看護ステーションのマンパワー不足(但し、魚津市の訪問看護師のスキルは高く評価)3)高齢化社会を迎えるにあたって、行政の危機意識も希薄(地域包括ケアシステム構築への動きがない)4)住民に在宅医療が充分浸透していない(我々の発信力不足)などです。
 魚津市は、在宅への関心が薄い事や比較的入所施設が多い事もあって、在宅訪問診療はまだ需要が少ない状況であり、表面上はそれほど逼迫した状況にはありません。しかしながら、その陰でケアマネ、訪問看護師、ヘルパーの皆さんが、目立たないところで限界に近い努力により支えてくれている現実もあり、安心してはいられません。これからの数年で問題点を解決して魚津市の地域医療システム作りを考えて、実践していかなければなりません。行政と医師会の密な連携が絶対に必要です。最近では、富山労災病院が地域に目を向けた診療にも力を入れて下さっており、病診連携をさらに推進して行く事で、これから迎える超高齢化社会に於ける医療に繋がる兆しが見えて来るのではないかと期待しています。また、そうして行かなければなりません。魚津市が一丸となって、地域医療を守っていく所存です。

【原稿執筆:桝﨑 繁喜 先生(メディカルケアネット蜃気楼代表)】

2023年度在宅医療実務者研修・実地研修(訪問診療同行見学)のご案内

富山県
  • 日時 研修期間2023年9月4日(月)~2024年3月15日(金)
  • 場所 受入れ実習施設
  • 対象 訪問診療の実地研修を希望する医師(会員・非会員は問いません。)

在宅医療に取り組む医師を増やし、また在宅医療を担っている医師のスキルアップを図る目的で、経験豊富な医師の訪問診療に同行し情報交換や連携強化を行う研修です。

研修期間:2023年9月4日(月)~2024年3月15日(金)
申込締切:2024年3月8日(金)
報告書提出期限:2024年3月27日(水)

研修までのながれ
①県医師会に参加希望をE-mailにて連絡。
②県医師会より受講者に実習施設一覧を送付。
③受講者は一覧より訪問日程および見学したい手技等を確認し、県医師会へ希望施設を連絡。
④受講者が選択した施設に県医師会より受入れについて確認。
⑤県医師会より受講者に確認結果を連絡。
⑥受講者が直接実習施設に連絡し、研修日時、集合場所、訪問時の注意点を確認する。
⑦訪問診療同行見学への参加。
⑧実習終了後、感想等を県医師会へ報告。

※受講を希望される方はE-mail(zaitaku@toyama.med.or.jp)の件名に「訪問診療同行見学希望」、本文に氏名、所属医療機関、連絡先をご記入の上、2024年3月8日(金)までにお申込みください。

多職種連携活動紹介Vol.8 たてやまつるぎ在宅ネットワーク(中新川郡)

中新川
  • 日時 2023年3月1日
  • 場所 中新川郡
  • 対象 医師・医療介護関係者


 人口の高齢化とともに疾病や障害とともに暮らしていく人の増加、また治らない疾病や疾病の終末期であっても可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期までおくりたいという人も増えてきている。地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進するため、在宅医療が今後重要になってくると考え、平成24年、当時中新川郡医師会長であった加藤泰三先生のリーダーシップの元、初代会長を黒田惇先生にお願いし、たてやまつるぎ在宅ネットワークが誕生した。本ネットワークの発足、運営には故中川彦人先生が中心となり先進的な取り組みをされていた新川地域在宅医療療養連携協議会の諸先生方に多くのご指導をいただいた。現在はワイズマンのメルタスに移行しているが、関係者間の情報交換システムや医療材料の共同購入システム、在宅患者さんの主治医・副主治医制などは新川地域在宅医療療養連携協議会で運用されていた制度や仕組みを指導の下、導入させていただいた。新たな仕組みを立ち上げる時の労力は大きく、最初につまずくとなかなかうまく進めれないものだが、新川地域在宅医療療養連携協議会の諸先生方の指導があり、順調に立ち上げることができた。この場をお借りし感謝申し上げたい。
 たてやまつるぎ在宅ネットワークの特徴として在宅医療にかかわる福祉、医療機関のみならず行政にも参加していただいたことがある。関係者が協力し、在宅医療の推進および多職種連携のための専門職向けの研修会の企画、住民向けの講演会などを行ってきた。コロナ禍でその活動は制限されていたが、ようやく集合研修の再開が可能となってきた。研修会のテーマを在宅医療だけでなく、ACPや臨床倫理といった現場で問題となる事柄も対象にしながら今後も企画していく予定である。行政にも参加していただいていることで住民や地域の専門職むけの研修の企画、スケジューリングがスムーズにできている。
 たてやまつるぎ在宅ネットワークには地域の公立病院であるかみいち総合病院も参加している。かみいち総合病院は在宅療養支援病院で365日往診当番が決められていることから、主治医・副主治医制に病院がはいることで夜間、休日や学会などでの不在時の看取りの際など開業医の負担を軽減することが可能となっている。また富山医療圏の基幹病院から患者さんが退院される際、在宅医療の希望がある場合、かかりつけ医がない場合はかみいち総合病院にコールセンターの役割を担ってもらい、在宅主治医の決定をおこなっている。
 歯科との連携については在宅歯科診療だけでなく、骨粗鬆症の治療薬の使用の際問題となる顎骨壊死の予防に、今後は医科歯科連携をたてやまつるぎ在宅ネットワークの枠組みを使用し、広めていくことも検討している。
 情報共有ツール、メルタスのますますの有効利用、一部種々の事情から参加できない関係医機関もあるなどの課題もあるが、今後中新川郡の住民が住み慣れた地域で安心して最期までくらしていくことの一助となれるよう取り組んでいきたい。

【原稿執筆:佐藤 幸浩 先生(中新川郡医師会理事)】

多職種連携活動紹介Vol.7 氷見在宅医療連携会(氷見市)

氷見
  • 日時 2022年11月30日
  • 場所 氷見市
  • 対象 医師・医療介護関係者

氷見市では、平成21年5月に氷見市医師会の下部組織として「氷見在宅医療連携会」が結成されました。現在9人の在宅医と、1私立病院がメンバーとして活動しています。
 会が行う主な活動は、当番制代理看取りによる助け合いです。在宅医療の看取りの場面で、主治医が学会や旅行などで立ち会うことができないことが時々あります。死亡診断・診断書の発行が出来ない時に、患者の家族は困った末、死後に救急車を呼ぶこともあり、望まない蘇生や検死が行われたりすることもあります。このようなことを避けるために、グループ内の当番が主治医の代わりに死亡診断・診断書の発行を行い、看取りの失敗を防ぎ、結果、主治医の負担を減らすことを主な目的にグループを結成しました。
 当番制代理看取りの具体的な取り決めは、土曜日曜・祝祭日・正月・お盆に当番を決めます。当番は必ず電話連絡がつくように自宅で休日を過ごすか、1時間で帰れる距離ならば携帯電話を持って出かけても良いこととしました。休日に看取りが発生し、家族から主治医に連絡が入り、その時に主治医が患者宅に行くことができない場合に、主治医は電話で当番に看取りを依頼します。当番は患者宅に赴き、看取りを行い、診断書を発行します。主治医は代理看取りになる可能性が考えられるとき、当番に前もって連絡をして、ICT連携ツールの「診療工房」を利用したり、ファックスなどで患者情報を当番に伝えます。事前に伝えられなかった場合は、代理看取り依頼の連絡時になるべく詳しく伝えるようにします。また、連絡の連携がうまくいかないこともあります。患者の家族から主治医にうまく連絡がつかず、間に入った訪問看護ステーションが当番に連絡して代理看取りとなった症例もありました。
 実際に代理看取りが行われた症例数は、平成21年より30年12月まで6例、31年1月より今までに5例、合計11例です。13年余りで11例は少ない数字のように見えますが、在宅での看取りのトラブルが防がれ、主治医の面目が保たれて、患者や家族の在宅看取りのハードルを少し下げられたと考えています。主治医にとっては、休日に安心して出かけられるようになった恩恵はかなりのものです。当番は1年に10回ほど回ってきて、遠くに出かけることはできませんが、呼び出しを受けることは殆どなく、普段の休日と変わりなく過ごせるので、あまり負担になりません。会で正式に決めた助け合いの内容は代理看取りだけですが、在宅医療を行っていくうえで、いろいろな助けや協力が必要な場合があります。ほかのメンバーから求められた場合は、仲間意識をもって、できるだけ助け合うことにしています。
 不安なこともあります。オリジナルのメンバー9人のうち、1人だけ代替わりで若くなりましたが、残りのメンバーは年齢を重ね、平均年齢が10歳以上あがり、高齢化が進んでいます。今後、今の活動を維持して、新しいことを取り入れていくために、意欲のある若い在宅医の登場を待っています。

【原稿執筆:高嶋 達 先生(氷見市医師会理事)】

特別訪問看護指示書の掲載について

富山県
特別訪問看護指示書の掲載について
特別訪問看護指示書の掲載について

「(別紙様式18) 特別訪問看護指示書(PDF版)」を掲載しております。
パンフレットをクリックし、ダウンロードいただけます。

なお、Word版をご希望の方は富山県看護協会ホームページ(上記URL)よりダウンロードをお願いいたします。

訪問看護指示書の掲載について

富山県
訪問看護指示書の掲載について
訪問看護指示書の掲載について

「(別紙様式16) 訪問看護指示書(PDF版)」を掲載しております。
パンフレットをクリックし、ダウンロードいただけます。

なお、Word版をご希望の方は富山県看護協会ホームページ(上記URL)よりダウンロードをお願いいたします。

多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)

射水
多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)
  • 日時 2021年12月21日
  • 場所 射水市
  • 対象 医師・医療介護関係者
多職種連携活動紹介Vol.6 在宅医療いみずネットワーク(射水市)

【はじめに】
主治医・副主治医制をいち早く導入し在宅医療を推進してきた「在宅医療いみずネットワーク」は、射水市の在宅医療を支援する多職種連携のよりどころとして地道な活動を続けております。2009年10月に矢野博明先生を代表として射水市医師会内に発足し、2021年9月現在では射水市内の100事業所の330名を超える医療・ケア従事者が参加するネットワークに育ちました。
医療や介護が必要になっても、住み慣れた「射水」の地で、自分らしく最期まで暮らし続けられる様に、ネットワークの力で支援しています。また「365日・24時間の安心、安全な在宅医療」を提供するために、総合病院との連携を強化し、射水市行政と共同し多職種同士の連携・情報共有を重視した取り組みを展開しています。
【研修会】
顔の見える関係づくりのために、毎年「事例検討会、多職種連携研修会、講演会」の3つの研修会を開催しています。しかし残念なことにコロナ禍により、2020、2021年度は対面による研修会は中止となりました。その代替策として、多職種連携研修会を会員向けの動画配信として行いました。2020年度は『ICTを活用した多職種連携とACP』と題して、合計16名の会員が動画に出演し、4本の動画を作成配信しました。2021年度はACPの実際、歯科医師との連携、コロナ禍での在宅対応に関連した動画作りを行っています。2022年度からは従来通りの研修会が再開できることを願って、準備を進めています。
【ICTによる情報共有】
射水市では(株)カナミックネットワークが提供する「TRITRUS」を用いた射水市多職種連携支援システムを、2019年10月から導入しています。システム導入にあたり2017年より射水市在宅医療・介護推進連携協議会の情報共有ワーキング内で検討を重ね、射水市が実施主体となり、2019年度の「富山県医療・介護連携促進基盤整備事業」の補助を得て導入致しました。利用開始から2年が過ぎ、2021年10月末時点で156事業所より473名の利用者登録があり、実際の情報共有は100名を超える在宅療養者に開始しております。主治医またはケアマネジャーが在宅療養者本人や家族より同意を得て、射水市地域福祉課に担当者リストと共に登録を依頼することで一両日中に情報共有が開始されます。
ICTではタイムリーな状態把握や各専門職からの情報提供が可能となり、さらには在宅療養者の心づもりが把握できます。本人の意思決定支援に結び付くため、ACPとの関連性に注目して勉強会を重ねているところです。癌終末期の在宅緩和ケアのみならず、慢性疾患や認知症あるいは神経難病を有する方の情報共有も増えてきており、多職種連携に必須のツールとなりました。
【おわりに】
コロナ禍で療養の場への希望には少なからず変化があり、在宅医療の重要性は改めて注目されています。地域医療を担う医師会にあって、私達は専門職同士の交流で常に新しい知識や技能を身に着け、協力し合って地域住民の皆様の笑顔を支えたいと思っています。
【文責】
野澤 寛(射水市医師会副会長、在宅医療いみずネットワーク代表)

多職種活動紹介Vol.5 富山市医師会在宅医療支援センター(富山市)

富山市
多職種活動紹介Vol.5 富山市医師会在宅医療支援センター(富山市)
多職種活動紹介Vol.5 富山市医師会在宅医療支援センター(富山市)

平成24年4月当時の島田一彦会長・河上浩康担当理事が尽され、富山市医師会に在宅医療支援センターを立ち上りました。
それ以前より富山市内には「在医協とやま」という在宅医グループが設立されていました。
このグループの特徴は主治医・副主治医制でした。現在のような強化型在宅医療支援事業所が制度化される前です。当時、診療所は医師一人が当たり前の時代でした。しかし医師一人では無理があり、担当医が不在になったとき患者は必要な在宅医療を受けられないとの問題がありました。その象徴的事例は、当時「在医協とやま」会長であった水上先生が急死された時、グループ内で「在宅難民を助けよう」を合言葉にグループ内で仕分けし患者を担当できたことです。その基礎となったのは主治医・副主治医制です。その仕組みは「コールセンター」にて在宅新患者に対して予め主治医・副主治医を選定しておりましたことです。これによって70名という在宅患者の訪問診療が継続できました。
この「在医協とやま」はその後、富山市医師会在宅医療支援センターに移管しました。
「富山市医師会在宅医療支援センター」のHP内に連絡ツールをクリックしてお申し込みください。今年度はこの主治医・副主治医制のICT化を懸案中であります。
また、当時主治医不在時の看取りをどうするかが問題でした。富山市全域の開業医のため、河上先生の発案で富山市全域の「在宅医ネット」が設立されました。このネットは主治医が看取りに訪問できない時の代理医ネットです。発足当時登録会員数は47施設でした。現在、看取り可能な医療機関は76か所と増え、看取り医がみつからないことはありません。

さて、センターが設立された時会員の在宅医療の知識・技術の向上、多職種との交流・共有を目指し、「とやま在宅協議会」を発足されました。この会は年数回定期的に開催される勉強会です。事例検討、在宅医療・介護研修・講演会や実技指導など毎回その分野のエクスパートを講師として招いています。大変勉強になる会です。同協議会の現在まで活動内容は富山市医師会の在宅医療支援センターのHPを覗いてください。
さて、現在の当センターの活動は市民講座・在宅医療介護連携に関わる研修会です。市民講座は毎年県内外から講師をお招きし、「住み慣れた自宅や地域で安心して暮らす」ためにできることを考える講座であります。例年100名を超える参加があります。

また、医療介護連携を推進するために、平成28年より島田一彦前会長の発案で富山市内を5つのエリアにわけたエリア会議を開催し、エリア毎に多職種連携や在宅医療の支援体制の構築を進めています。この会議は毎年共通のテーマを決め、各エリアの実行委員会により企画・開催されます。各エリアの特徴ある会議で70~100名の参加があります。詳細はHPをご参考ください。今年度はコロナ感染の影響により密接を避けるためハイブリットで講演会を行いました。

次に富山市医師会の在宅医療のICTについて報告します。
富山市医師会は吉山泉会長の尽力で「診療工房」を発展させ、医療・介護の情報共有化ソフトとなっています。病診連携・医科歯科連携による医療情報だけでなく介護計画書や訪問看護指示書などの情報がデーターベース化されています。
ただ、これは公文書的なデーターベースであり、患者宅に持ち込むには向きません。
日々の患者の変化の情報発信にはスマートフォンによるSNSや在宅医療用のソフト(アプリ)が開発されており、富山市医師会ではこれらを紹介するイベントを開催してきました。
今後もよいICTがあれば紹介イベントを開催する予定です。
富山市医師会在宅医療支援センターでは第3の支援事業として
これから在宅医療を始める医師への支援として「在宅医療支援ガイドライン」を発行しております。是非一読していただければ幸いです。
また、在宅医療に必要な医療器具の支援として
① 在宅医療消耗機材共同購入支援
② 小型シリンジポンプの貸し出し
③ ポータブルレントゲンの出向撮影などの支援を行っています。

【原稿執筆:前川 裕 先生(富山市医師会理事)】 

【富山県在宅医療・本人の意思決定支援事業】新川医療圏『「人生会議」ってなぁに?プロジェクト』のご案内について

新川

富山県在宅医療・本人の意思決定支援事業にて新川医療圏で作成されましたACPアニメーションが上記URLからご視聴いただけます。

アニメーション
◎人生会議、はじめよう!
◎知っていますか?『人生会議』

多職種連携活動紹介Vol.4 新川地域在宅医療療養連携協議会(新川地域)

新川
多職種連携活動紹介Vol.4 新川地域在宅医療療養連携協議会(新川地域)
  • 日時 2019年10月8日
  • 場所 新川地域
  • 対象 医師・医療介護関係者
多職種連携活動紹介Vol.4 新川地域在宅医療療養連携協議会(新川地域)

はじめに:
2005年4月に在宅患者の受け皿整備のため、新川地域(魚津市、黒部市、入善町、朝日町)の開業医8名で新川地域医療連携懇話会を立ち上げました。在宅主治医を支援する目的で他の開業医2名が副主治医としてサポートする形態を取りました。連携ツールとして在宅療養実施計画書、在宅終末期医療ケア基本情報、経腸栄養法基本事項、在宅診療報告書からなる連携クリティカルパスを構築し、2006年7月から運用を開始しました。予想以上にパスと連携が機能し、連携病院の地域連携室や医師、訪問看護師、ケアマネージャー、調剤薬局薬剤師、作業療法士など多職種の参加を得て在宅医療と療養を支える基盤が出来上がり、2007年6月 新川地域在宅医療療養連携協議会(以下、当会)へと名称変更を行いました。2010年4月に新川地域在宅医療支援センター(以下、センター)が設立され、当会はそのサポートを受けることになりました。

情報共有:
当会発足当初は情報共有は主にFaxで行っておりましたが、2009年10月にICT連携ソフトとしてMicrosoft社のOffice Groove 2007を導入し2010年4月より本格運用を開始、2012年にバージョンアップ版であるSharePoint Workspace 2010に切り替えを行っています。しかし、同ソフト販売終了のため、2019年3月に富山県地域医療介護総合確保基金を活用して、センターは株式会社ストローハットの「Net4U」を新たに導入しています。導入施設は、基幹病院3、市中病院5、診療所8、歯科診療所3、訪問看護ステーション9、調剤薬局17、地域包括支援センター5、居宅介護支援事業所18、入所型介護事業所11、通所型介護事業所7、訪問型介護事業所7、福祉用具1、センター事務局1の合計95施設となっています。当地域では『あんしん在宅ネットにいかわ』の名称で多職種間の患者情報共有に活用しています。

活動内容:
当会の目的は地域の在宅医療と療養に係わるすべての医療・介護・福祉を提供することであり、ICTシステム(Net4U)を利用して多職種連携の基に実践しています。行政が地域包括ケアシステムの構築に着手してからは、行政との連携が密となり 今ではその中心的役割を担うまでになっています。主な活動は、行政を交えての会議と調整、在宅医療と療養に関する内容のセンター主催の市民公開講座支援、各種の講演会や研修会主催、公民館単位の出前講座開催などです。また、医師以外の会員によるコメディカル部会(会長:村井敏美さん)が2013年1月に発足し、多職種間の顔の見える関係作りのための「ケア・カフェにいかわ」を年に2回開催、「医療職・介護職・福祉職のための今日から活かせる研修会」を年4回開催しています。

おわりに:
当会の初代会長であった中川彦人先生が2016年9月に急逝されました。中川先生の戦車の様な大きな牽引力があったからこそ、私たちはここまで活動を続け当会を発展させることが出来たものと思います。会員は中川先生の遺志を受け継いで、この地区の在宅医療と療養を何とかせねばの気概で頑張っています。2019年10月現在、Net4Uの参加人数は300名を超えるまでに大きくなっています。
【原稿執筆:藤岡 照裕 先生(新川地域在宅医療療養連携協議会/藤が丘クリニック院長)】

多職種活動紹介Vol.3 地域包括支援センター(高岡市)

富山県
多職種活動紹介Vol.3 地域包括支援センター(高岡市)
多職種活動紹介Vol.3 地域包括支援センター(高岡市)

高岡市内に11カ所設置されている「地域包括支援センター」は、高齢者の皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、総合的な支援を行う機関です。高岡市と共に、団塊の世代が後期高齢者となる2025年(平成37年)を目途に、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者が地域で安心して生活できる社会の実現を目指し『高岡市あっかりライフ支援システム(地域包括ケアシステム)』の構築に取り組んでいます。
この体制の構築に向け、医療と介護の連携強化を推進するため、地域包括支援センター、高岡市医師会(高岡市医師会在宅医療支援センター)及び市が相互に事業連携を図りながら、高齢者の在宅支援の体制整備を促進しています。
地域包括支援センターにおける在宅医療・介護連携に関する取り組みは、多岐にわたりますが、その中でも特に代表的なものとしては、「認知症・地域ケア相談医」の参加による「地域ケア会議」の開催があります。
「認知症・地域ケア相談医」とは、認知症及び地域包括ケアに関する相談支援等を行い、医療と介護の連携支援体制を強化するため、高岡市医師会が平成25年に設置されたもので、現在約50名登録いただいております。この「認知症・地域ケア相談医」と地域包括支援センターが密接に連携し合い、顔の見える関係を日々築きながら、医療と介護が一体的に提供できる体制づくりを、各圏域の地域包括支援センター毎に行っています。
この取り組みの一つとして、「地域ケア会議」は、地域包括支援センターが「認知症・地域ケア相談医」をはじめ、多職種の関係者や、地域住民との協働のもと開催し、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える地域づくりを推進するために開催しています。一人暮らし高齢者や認知症のある方、また、多様な疾患のあるケースなどに対し実施しております。
会議では「認知症・地域ケア相談医」から、医療に係るタイミングや介護者の対応方法、また、民生委員の方や地域住民の皆さんに対し、認知症についての理解を促していただくことで、共通理解が図られ、支援に繋がる場として機能しており、高齢者の住み慣れた地域での在宅継続に向けて、多職種間での連携強化が図られています。
そして、この会議において把握された地域課題に対しては、市が開催している「地域ケア推進会議」において共有し、有効な支援方法や取り組みを普遍化するための検討を行っています。
また、地域包括支援センターが中心となって、在宅医療に関する介護関係者に対する知識の普及・資質向上、医療と介護の連携促進を目的とした研修会等を企画し、多くの関係者の出席のもと実施しています。
このように、地域包括支援センターでは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるための在宅医療に関する取り組みを、日々積極的に実施しており、その成果が年々表れつつあります。今後も、多職種間で顔の見える関係を築きながら連携強化を図り、さらなる在宅医療の推進に向け、日々取り組みを進めていきたいと思います。
※写真は地域ケア会議の開催風景
【原稿執筆:高岡市福祉保健部高齢介護課介護予防・地域ケア推進係 谷井麻未 様】

多職種活動紹介Vol.2 訪問看護ステーション(高岡市)

富山県
多職種活動紹介Vol.2 訪問看護ステーション(高岡市)
  • 日時 平成28年10月6日
  • 場所 もみじ訪問看護ステーション
  • 対象 一般
  • URL http://momijihk.co.jp/
多職種活動紹介Vol.2 訪問看護ステーション(高岡市)

もみじ訪問看護ステーションは、平成23年6月に開設し、現在6年目です。住所は高岡市西部の高岡市中保にあります。近くにはボールパーク(野球場)があり、静かな住宅地と田畑に囲まれた一角にあります。〈写真1〉
ここでは、人間の自然治癒力を整え、自らの持っている力を引出すように、療養環境を整えることが看護であると言うナイチンゲール理論に基づいた看護を提供し、安心できる在宅療養生活を支援しています。
職員は看護師10人(常勤6人・非常勤4人で、平成28年7月の常勤換算は8.3人となっています。また、作業療法士1人・事務員2人で合計13人です。年代別では30歳代が5人・50歳代2人・60歳代3人で、達人レベルの看護職集団です〈写真2〉。また、積極的な30代の作業療法士は地域の介護予防活動に参加し、地域リハビリの開拓を果たしています。さらに、看護師と作業療法士の連携を密に行い生活の中でのリハビリテーションを実施しています。事務職が2名おり、変動する事務処理全般を担当し、看護職が事務作業を負担することはありません。当所の特徴として、ICT化を4年前から推進しており、緊急時の対応を迅速に行っています。また、高岡多職種連携システムのネットワークに所属し、利用者や家族の想いや健康状態を同じチーム内での情報提供に役立たせています。〈写真3〉
平成27年度の年間利用者数は、173人で、延訪問件数は5949件でした。もみじ訪問看護ステーションの特徴は、1番目に24時間連絡対応体制を取り、27年度死亡者46名中在宅死亡者は26人で、その中で、ターミナル加算習得は20件あり、在宅での看取りに重点を置いた看護を強化していること。〈グラフ1〉
2番目に保険別でみてみると介護保険利用者が84%です。富山県全体では69%となっており、割合で比較すると当所は介護保険利用者が医療保険利用者より多くなっています。これは、初回依頼はケアマネージャーからが多く、地域包括ケアの発展に貢献させてもらっています。〈グラフ2〉
3番目は、疾患別利用者数割合をみてみると〈グラフ3〉の通り、最も多い疾患は認知症21.3%で2番目に循環器20.6%,3番目が悪性新生物15%で4番目は精神疾患8.1%、5番目が呼吸器5.7%です。富山県全体で最も多く占めている疾患は循環器疾患24.6%2番目は悪性新生物19.6%、3番は筋骨格結合織9.1%,4番は認知症8.2%で5番目が呼吸器6.1%でした。比較してみて、当所は認知症や精神疾患患者の利用者が多いことが明らかになりました。医療処置の少ない認知症や精神疾患の在宅看護は、支援者自身の生き方そのものが問われてきます。細やかな気配りや毅然とした態度が信頼関係構築のために求められます。主治医やケアマネージャー・精神保健福祉士・スタッフみんなで話し合い確認し合って、支援しています。
Ⅱ.一般の方に知って欲しい在宅医療への知識、情報
元気なうちから、自分の最期はどこでどのように過ごしたいかを考え、できたら、周囲の人々に伝えておくことが大切と思います。自分の人生の終わり方をイメージすることで、今日一日が活き活きとして大切な時間になってくると思います。
Ⅲ.雑感
訪問看護師は利用者さんと早期に信頼関係を構築するために、その人・家族の人生を知り、考え方や価値観を理解しようと努める必要があります。色々な人との出会いが訪問看護師にとって学びであり、楽しさです。これからも、色々な人との出会いを楽しみながら訪問看護を地域の中に根ざして行きたいと思っています。
※文中の資料(写真・グラフ)は『パンフレット』を参照ください。
【原稿執筆:もみじ訪問看護ステーション管理者 増田千春 様】

多職種活動紹介Vol.1 在宅医療医師グループ(高岡市医師会在宅医療連携会「かたかご会」)

富山県
多職種活動紹介Vol.1 在宅医療医師グループ(高岡市医師会在宅医療連携会「かたかご会」)
  • 日時 平成28年10月6日
  • 場所 高岡市医師会内
  • 対象 一般
多職種活動紹介Vol.1 在宅医療医師グループ(高岡市医師会在宅医療連携会「かたかご会」)

高岡医療圏の医師のグループ診療としては、氷見在宅医療連携会、在宅医療いみずネットワークに次いで、平成23年7月に高岡市医師会在宅医療連携会が発足致しました。参加医療機関数としては33施設で県内2番目の規模でしたが、連携内容は登録制による看取りの代行が主体でした。
2015年の時点で高岡市の高齢化率は既に30.9%であり、今後さらに上昇すると推測されています。社会保障費抑制、地域医療構想など今後の医療・介護を取り巻く環境の変化の中で在宅医療はさらに重要な位置付けになります。
そのような中で、高岡市医師会在宅医療連携会メンバーの平野クリニックの平野誠先生から「在宅医療は我々開業医が担っていかなければ、今後高岡は介護、医療難民で溢れることになる。そのような状況は看過できない。」という熱いメッセージが発せられました。まずは看取りだけの連携でなく幅広い医療連携を行える医師同士のグループが必要でした。平成23年7月に平野先生の趣旨に賛同した医師5人で「かたかご会」が結成されました。
実際に活動を進めていくためには多職種連携が必須であると考えていたため、訪問看護ステーションの看護師、調剤薬局の薬剤師、居宅介護支援事業所および地域包括支援センターのケアマネジャーをメンバーに加え、平成23年10月より下記の理念を掲げて新生「かたかご会」として活動を開始しました。

1.患者が家族と共に安心して在宅医療を受けられるように365日24時間対応できる体制構築を支援すること
2.在宅医療を希望する患者の受け入れ、あるいは病院から在宅への円滑な連携を支援すること
3.在宅医療に関連する様々な職種と連携してチーム医療を実践し、病院とも密接な連携をとることで質の高い在宅医療を提供できる体制を構築すること
4.個々の主治医の心身の負担を軽減してチームで在宅患者の医療や看取りを実践し、主治医不在時でも安心して在宅医療を提供できるように支援すること

主な活動としては、毎月1回(第1火曜日)に定例会を開催し、毎回以下の議題につき検討しています。
1.各主治医の在宅患者の状況報告(新規登録患者・対象外患者について報告や問題のある患者についての検討)
2.医師・看護師・薬剤師・ケアマネジャーからの意見や提案
3.在宅における問題点や在宅保険請求の問題点についての検討

また、不定期ではありますが、胃瘻、中心静脈栄養管理、在宅酸素療法、自己調節鎮痛法など在宅医療の現場で必要な知識や技術の習得のための勉強会を開催しています。
平成28年6月より高岡市内のすべての訪問看護ステーション、9月より新たに3人の医師に加わって頂き、当初5人から始まった「かたかご会」が現在では総勢45名ほどの大きなグループへと成長してきました。今後、さらに多くの職種に参加して頂き高岡の在宅医療の充実、発展に貢献し、住民が安心して過ごせる環境を整えていきたいと考えております。
※写真は定例会の開催風景
【原稿執筆:林 智彦 先生(なのはなクリニック)】

『やっぱり家がいいね。』パンフレットのご案内

南砺
『やっぱり家がいいね。』パンフレットのご案内
  • 日時 平成28年3月31日
  • 場所 南砺市医師会在宅医療支援センター(お問合せ先)
  • 対象 一般向け
『やっぱり家がいいね。』パンフレットのご案内

南砺市医師会在宅医療支援センターでは、「住み慣れた家で最後まで自分らしく暮らしたい、そのような想いを大切にする在宅医療・ケアについてわかりやすく紹介」する目的で、事例検討会の中心的役割を担っていただいている「世話人会」の皆様と南砺市の実情に合った「看取り」も意識したパンフレットを作成いたしました。
今後、医師会加入各医療機関、意見交換会に参加いただいている各介護施設等はもちろん、介護に係わる各施設等にパンフレットを配布し、市民の皆様の「在宅医療介護」「在宅看取り」への理解が深まることを願っております。

※パンフレットご希望の方は南砺市医師会在宅医療支援センターTEL:0763-53-2510までお問い合わせください。